幌筵島(ぱらむしるとう、ほろむしろとう)で陸軍機が海軍機を撃墜
父が語った悲しい話、墜落させられたのは海軍機だった!
私の父は戦時中カムチャッカ半島の付け根にあたる島、千島列島最北端幌筵島に駐屯していた陸軍工兵隊(要塞建築隊)の兵士でした。
ある日空襲警報が鳴り避難していた上空に1機の大型の飛行機が飛来してきた。
この飛行機が幌筵島を爆撃しようとしていると捉えたのか陸軍の戦闘機が離陸し上空で大型機の前に立ちはだかった。
大型機はその時反撃の機銃も撃たず、主翼を上下に振る動作をしながら飛行を続けた。
何回も何回も主翼を振って飛行を続けた。
しかし、陸軍の戦闘機は容赦なく戦闘機から機銃を撃ち続けた。
ついに、大型機は陸軍の戦闘機に撃墜させられた。
避難していた兵士達は「やった!やった!」と大いに喜んだそうだ。
しかし程なくして撃墜された飛行機は海軍の飛行機だったと言うことが伝わってきた。
「かわいそうなことをしたものだ」「なぜ翼を振る動作を見て友軍機と判断できなかったのだろう」
とよくこの話をしていました。父は3年前101歳で亡くなりましたがこの話は戦時中はたぶん公式には記録されていたのかどうか、撃墜された海軍のパイロットや乗務員のご遺族には知らされていたのか、たぶん真実は知らされていなかったと思います。
きな臭くなってきた世相を見るにつけ、父が気にかけていた真実を語ることも私のつとめと考えここに発表する次第です。
父 は昭和18年から20年まで幌筵島にいました。
最近のコメント